第5回総会₋医療講演会₋ 2026年6月13日(土)ー 対 談 ー
講演会を終えられた内田 育恵先生にお話を伺いました
- 福本 敏子先生:
- 本日は、「高齢者の難聴と認知機能低下~関連メカニズムと対策~」をテーマに、難聴と認知症の関係性についてわかりやすくお話していただきありがとうございました。聴覚が徐々に低下していく患者さんに補聴器をお薦めすることの重要性を認識することができました。診療科が異なっても、認知機能維持や抗加齢は皆さんご興味のある事柄だと思います。ご質問も多く寄せられました。ご講演を終えられて、今のお気持ちを聞かせていただけますか?
- 内田 育恵先生:
- ありがとうございます。今回、出身大学と「女性医師」という共通項でつながる、世代を超えた皆さまのお集まりの場で、自身の専門領域についてお話しする機会を頂戴し、心からありがたく感じております。 診療領域を横断する先生方にお聞きいただける機会は決して多くありませんが、会場から寄せられたご質問はいずれも鋭い視点に富み、たいへん刺激を受けました。 脳領域の話題や、リスクを抱えながらも認知機能を保つための取り組みなど、活発に意見を交わす時間は、私自身にとって楽しく有意義なひとときとなりました。
- 福本 敏子先生:
- 長期縦断疫学研究に携わることになった時のお気持ちと、現在のお気持ちに違いはありますか?
- 内田 育恵先生:
- 約30年前に研究センターへ通い始めた頃、耳鼻咽喉科における「老化」 というテーマは、どちらかといえばニッチな領域という印象でした。 日本の高齢化が急速に進むという予測は理解していたものの、当時、身の回りでその実感はほとんどありませんでした。 それが今年、耳鼻咽喉科領域で最大の学会である「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」において、『第1回耳鼻咽喉科頭頸部外科高齢者医療研究会』が発足し、「加齢」や「老化」が重要な学問領域として深く議論されるようになったことに、隔世の感を覚えています。
- 福本 敏子先生:
- 確かに、いまや「加齢」や「老化」は世界中でその重要性が認識され、大きな潮流となっている研究分野ですね。これから診療科選択や研究分野を決める立場の先生方に対して、お伝えになりたいことはありますか?
- 内田 育恵先生:
- 診療科や研究分野の選択は、ある意味で「住めば都」に近いものがあると思っています。 どの領域にも多様な側面があり、その中で自分が楽しさや悦びを感じられる“ささやかな面白さ”を見つけられたなら、それが何よりの正解なのだと思います。
- 福本 敏子先生:
- 選択が正解となるかどうかは自身の取り組み方次第ということですね。会場でご参加された皆さまへメッセージをいただけますか?
- 内田 育恵先生:
- 熱心に耳を傾けてくださる皆さまの表情、うなずき、真剣な眼差しに触れ、オンラインでは得られない温度感を感じました。 その場でお話しできる喜びが自然と湧き上がってきました。 貴重なお時間を共有させていただきましたこと、心より御礼申し上げます。
- 福本 敏子先生:
- わかりやすくお話いただいたので、理解が深まり興味をおもちになったのだと思います。最後に、本学卒業生の皆さまへメッセージをいただけますか?
- 内田 育恵先生:
- 私は卒後すぐに母校を離れましたが、「同じ大学の卒業生」というだけで、他地域・他分野の先生方から温かく声をかけていただいたり、応援していただいたりします。本学の歴史と先輩方のご活躍ぶりを折に触れて実感してきました。 母校に残り支える道を選ばれた方も、別の場所で活躍される方も、それぞれが本学で培ったヒストリーを大切に、さまざまなステージで輝いていただきたいと願っております。
- 福本 敏子先生:
- 先生のご活躍で、勇気づけられる卒業生も多いと思います。内田先生の益々のご活躍を、役員一同、心よりお祈り申し上げます。本日は大変ありがとうございました。

内田 育恵先生
愛知医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座教授 (特任)
- 【ご略歴】
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- 1990年 大阪医科大学医学部卒業
- 1999年 名古屋大学医学部耳鼻咽喉科文部教官助手
- 2010年 国立長寿医療研究センター耳鼻咽喉科医長/名古屋大学耳鼻咽喉科 非常勤講師
- 2011年 愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科 講師 准教授を経て
- 2022年 愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授(特任) (現在に至る)
- 【資格】
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- 臨床遺伝専門医
- 日本耳科学会認定耳科手術暫定指導医
- 耳鼻咽喉科頭頸部外科専門研修指導医,補聴器相談医
- 【受賞】
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- 第20回日本老年医学会(2013年)優秀論文賞受賞
- 輝く耳鼻咽喉科女性賞2023 受賞
- 【学会活動】
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- 2012年~2022年 日本聴覚医学会評議員および代議員
- 2022年~現在 日本聴覚医学会理事
- 2014年~2022年 日本耳科学会代議員
- 2022年~現在 日本耳科学会理事
- 2018年~2024年 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 先端研究委員会委員
- 2024年~現在 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 国際委員会委員
